インデックス投資は最強なのか

拙note 資産形成レジデントマニュアル で資産運用の一つとして紹介したインデックス投資であるが、その有用性が学術領域で認識され始めたのは1970年頃で、もう半世紀も前のことだ。そして2019年の今もその結論は変わっていない。普及のきっかけとなったのは、マルキールさんという経済学者が書いた本「ウォール街のランダム・ウォーカー」だ。

 

 

この本では、株価の上げ下げの予測は誰にもできなくて、でも資本主義経済では山あり谷ありがありながらも経済成長していくから、長期間では株価は上がる。なので、株を上げ下げを予測する労力をかけてプロが運用しているアクティブファンドよりも、銘柄も売買のタイミングも分散して投資していくインデックスファンドの方が成績がよいと説明され、これは投資・株書籍の中で最も大きな影響を与えている本の一つではないかと思う。

 

そこで、今回は天邪鬼な僕が、敢えてインデックスファンド最強説に異を唱えてみようと思う。

 

ご存知、証券業界ではインサイダー取引が悪いといわれている。インサイダー取引とは、会社の株に影響を与える内部事情を知ってるものが、その重要情報を公表する前に会社の株を売買することで、そんなのは知っている方が有利に決まってるんだからやってはいけないよ、とされてるものだ。

 

で、一昔前まではそんなインサイダー取引のような重要情報を知っている人は、会社に関連した人に限られていたかもしれない。しかし、この情報化社会では部外者であっても会社の内部の状況を間接的に早い段階で精確に突き詰め、加えて、短期・中長期にわたり会社の成績を投資家の心理を含めて予測でき、プロがひしめく市場でミス取引で生じた僅かな歪みも見逃さない、そんな情報強者な人たちが生まれていてもおかしくない。まぁ金融のプロがひしめくとかいったって、医療をみてみれば医療職や医療機関の中でも質にばらつきがあるし、時にプロより素人の方が上手みたいなことも起こるのは医師の皆さんでもわかるでしょうw

 

ランダムウォークでは情報が対称性であることを前提としているので、上記のような情報非対称性が情報が溢れる現在において現れてくるのならば、やっぱり個別銘柄で儲け続けるランダムでない特定の人(と特定の負ける人)も出てくるじゃないのと?そして論を更に補強するならば、自分で取引している限りはアクティブファンドのような高い手数料も払う必要はないのだし、そもそも平均的には負ける話であってトップ1%なんかにはいれば勝てる可能性が高いのでしょ?とか思うわけだ。

 

まぁ、でも多くの人は株にまつわる情報の最先端には行きつかないだろうし、もし仮にみんなが情報の最先端にいけばそれは情報の非対称性がなくなって一周回ってインデックスファンドの方に軍配があがるんだろう。なので、本のような形で一般の多くの人たちに情報を共有する場合はインデックス投資が一番理にかなってると説明するのは自然だし、逆にチャートの動きや会社の経営状況をもとに個別銘柄を買っていくのであれば、それは誰にも教えないか優位性を保つために一部のグループまでしか共有しない、といったことになる気もしている。

 

何が言いたいかっていうと、ほったらかしで手間暇かけたくなかったらインデックス投資なんだろうし、時間がとれて情報強者になれると思うんならリスクをとって個別銘柄に手を出すのも楽しんじゃないかってことでした。

 

 「億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術」はみんな大好きバフェットさんの書いた優良企業の個別株を買う方法やタイミングが書かれている名著ですね。