ダイナースクラブを退会した話

みなさんは、クレジットカードのメインは何を使っているでしょうか。

 

僕は、ちょっと前までダイナースクラブカードを個人用のメインカードとして使っていたのですが、色々使い勝手が悪く最近になって退会しました。で、退会するときに自分が考えてたことを備忘録的に記しておこうと思います。

 

そもそも、なぜダイナースクラブに入ったか

ステータスカードというものを自分で一度体験してみたかったからですね。当時はステータスカードといえば、とりあえずダイナースかアメックスだろ?と無知の自分は思っていたのですが、その後ちょっと聞きかじったダイナースクラブの創業の由来で、”財布を忘れて痛い思いをした実業家がツケでレストランでも食事ができるようにした”という話が後付けで気に入ったりして、特に迷いもなくダイナースの方と契約しました。

 

ダイナースクラブカードのよかったところ?

クレジットカードで何か困ったことがあったら電話したりすると思いますが、その時に電話がすぐ繋がることが多かったことと、オペレーターの対応が基本的には親切丁寧だったことが良いところかなと思いました。

 あとは、コナミのジムが都度会員(1回500円くらい??)で利用できることもあって安く済むねというのはありました。

 

ダイナースクラブカードのデメリットは?

デメリットは何より、カードを使えない店がちょくちょくあることでしたね。日本でもクレジットカードが使えるのにダイナースクラブカードは使えないお店が体感で1、2割あった気がしますし、アジアなんかいくと、街に出ればMasterやVisaは使えるけど、ダイナースはだいたい使えない。。なので、結局MasterかVisaをサブで持って行くはめになってました..

 

ダイナースクラブカードの特典はどうだったか?

ダイナースには指定のレストランのコースを頼むと1人分無料になるというのがありますが、自分にとっては店が限られていたり(それでもステータスカードの中では一番登録レストランの店舗数が豊富だそうです)、事前の予約が面倒だったり、選べるコースは最上級コースのみになってて割高設定だったり、とあんまりよい印象はありませんでした。勿論、中には価格的にも対応的にも当たりのお店はいくつかありました。

 

他には、日本や世界中の空港のラウンジを使えるというのが特典としてありましたが、僕がそもそも頻繁には空港は利用しない生活を送っているのと、空港を使うときでも、慣れてないのでラウンジの場所を探すのが面倒だったり、あっても距離が遠かったり、ラウンジに入っても普通に混み合っていたり、と、それなら適当にスタバとかでお金払ってゆっくりした方がよくないかとは感じていました。

 

ポイントの使い方として、マイル移行というのがあり、プロパーの方でも1円1マイルとよくたまる方のカードなようで、マイルを上手く使える方にとってはお得な仕様になっているようですが、マイルのポイント移行制限だとか、マイルを使うと空席があるはずの便で、指定した日付や時間の特典航空券が買えないだとか、ANA系にしか使えないとか、いろいろ立ちはだかる制限が多くて僕には全く合いませんでした。加えて最近はマイルシステムの改悪があったようであまり受けがよくないとも聞いています。

 

なぜダイナースクラブをやめようと思ったか

ステータスカードがどういうものかというのを体験してしまったから、もういいかなと思ったのが正直な所です。年会費はマイル移行手数料を含めたりすると3万円くらいで、たいしたことはないですが、なによりカードが使えない店があることを気にしなきゃいけない不便を感じたのと、レストランやラウンジ、マイル等少しは良い思いできるかなぁと思ったのに、むしろそこへのアクセスや手続きで時間や自由を奪われる形になって他人のビジネスゲームの中に組み込まれてる?ような感覚に陥った事がきっかけな気がしますね。

 

最後に

このブログは、お医者さんが読まれることが多いと思うので、ダイナースクラブに今後入られるのを検討されている方もいるかもしれません。そういう先生方に向けては、

 

ダイナースに登録されてあるレストラン最上級コースを楽しみたい

・とりあえず電話対応の質が担保されているカードを所持しておきたい

・飛行機に乗る頻度が多く、ラウンジやマイルをうまく使っていきたい

・その他、このブログでは紹介できていないダイナースの特典を楽しみたい

 

等を望まれるならば、ダイナースは検討の余地があるカードかなぁとは思います。

 ですが、ステータス性とかお得感を味わいたいみたいなことだと、これは価値観や使い方に多少依るのかもしれませんが、あまり期待しない方がよいのかなぁというのが僕の率直な感想でした。

 

それではまたツイッターで。

 

 

ふるさと納税上限額の目安とプログラミングコード

あけましておめでとうございます!

 

皆さん、ふるさと納税って無事終わられましたでしょうか。

 

興味の焦点となるふるさと納税上限額って、目安としては

 

「住民税の2割強から、所得の多い人は住民税の4割強まで」

 

とだいたいで覚えておけば問題ないんですが、もうちょっと詳しく数値を知りたい場合の簡易式を作りました。

 

ふるさと納税上限額(円)

=課税所得額×0.02×(1/(0.9-所得税率×1.021))+2,000

 

式の中に1.021は復興税率なんですが、これも含めて簡易式とはいえ計算が面倒だし、所得税率も別に調べなきゃとかで煩雑ですね。インターネットにあるシミュレーションも色々項目入力しなきゃいけなくてちょいと面倒。けれど、上の式を見れば要は課税所得さえわかれば上限額の答えは得られるので、プログラミングを使って、課税所得を入力したら、さっとふるさと納税上限額を出してくれるコードを書いてみました。下にベタ張りしときます。(python持ってない人はダウンロードしてコピペして試してみてね。無料です。)僕個人が作ってますので、あくまで参考程度に。バグがあったら教えてくださいませ!

 

-----ここからプログラミング(python)コード---

#所得を入力
shotoku=float(input("課税所得(万円)は?"))


if shotoku <=195 :
zeiritu = 0.05

if (shotoku > 195) and (shotoku <= 330):
zeiritu = 0.10

if (shotoku > 330) and (shotoku <= 695):
zeiritu = 0.20

if (shotoku > 695) and (shotoku <= 900):
zeiritu = 0.23

if (shotoku > 900) and (shotoku <= 1800):
zeiritu = 0.33

if (shotoku > 1800) and (shotoku <= 4000):
zeiritu = 0.40

if shotoku > 4000 :
zeiritu = 0.45


furusatozei=float(shotoku*10000*0.02*(1/(0.9-zeiritu*1.021))+2000)
wariai=float(furusatozei/shotoku/100)

# 結果を表示

print("課税所得は",int(shotoku),"万円ですね!")
print("ふるさと納税上限額は :", int(furusatozei/10000),"万円程になりそうです")
print("所得額に対するふるさと納税上限額の割合は :", round(wariai, 2),"%ですね")

 

-----ここまでプログラミング(python)コード---

 

それでは、みなさん今年も宜しくお願いします!

病院のベッドはガラガラでもよいのか。

こんばんは Zettonです。

 

インフルエンザの予防接種の季節ですね。医療従事者の方は日頃接する患者さんのためにも打っておきましょう。

 

タイムラインを眺めているといつもながら興味深いツイートが流れてきました。

 

 

ブログなのでちょっと追加で説明すると、看護必要度は正確には、「重症度、医療・看護必要度」のことを指していて、簡単には、ある決められた測定方法に基づく一般病床における重傷患者の割合を指しています。

 

一般病棟には重症な患者の割合が高いほど診療報酬として1日1床あたりの入院基本料が高くなるのもあって、おもち先生の病院では、少しでも高い入院基本料を取ろうと病棟の重症患者の割合を増やしたために、病棟稼働率が下がっているのだと思われます。

 

では、病棟における重症患者の割合を高くしようとすると、病棟稼働率が下がるのはなぜでしょうか。

 

一般的に、回復の見込める急性期の患者さんが重症である期間というのはだいたい数日間で、入院して1週も過ぎるとだいたい病態は落ち着いてくる事が多いです。そのような中で病棟の重症患者の割合を高くしようとすると、病態が落ち着けばすかさず退院させようとするプレッシャーがベッドコントロールを担っている病棟師長に働くので、病棟稼働率が落ちていくのですね。

 

ここで、病院の入院における収益構造を説明しておきます。

 

これはシンプルな式に表すと

 

入院診療収益=稼働率×平均単価(×病床数)

 

で決まります。差額ベッド代とかのその他の費用がありますが、保険を用いた入院診療と比較すれば微々たるものなので、あまり考えなくてよいでしょう。また、通常の運営では病床数を簡単に増やしたり減らしたりはしないので、病床数に関しては原則、定数として扱うことができます。

 

すると、入院による収益を伸ばすためには、稼働率をあげるか単価をあげるかという事になりますね。稼働率を上げるには、患者を集める事が何より大事で次にしっかりと治るまで(もしくは診療報酬上定められた在院日数まで)は入院させておくことでしょう。また単価を上げるには、重症で手術等の治療介入の余地が大きい患者を多くみて、改善し治療の必要性が少なくなってきた患者はできるだけ早く退院させることが大事になります。

 

もうお気づきの読者の方もいらっしゃると思いますが、患者の重篤度や治療内容が変わらないとすると、それでも単価を上げようとするならば、早く退院させざるを得なくなり、稼働率が下がる方向に向かいます。別の言い方をすれば、病床回転率を上げると単価は上がりますが稼働率が下がるようにできています。収益を考えると回転率をとるか稼働をとるかについてどう考えるかが今回の議論のポイントになりますね。

 

ここからはグラフを使って考えてみることにしましょう。

 

今回のモデルでは、患者の入院時の重篤度や治療内容は変化させないことを前提とするので、単価は病床回転率と置き換えて、病床回転率/稼働率でマトリクスを書いてみることにします。

 

f:id:zettonki:20181112184757p:plain

 

入院診療収益が1番高いのは、病床回転率が高く稼働率も高い①ですね。逆に一番低いのは④で、これはまぁ当たり前でしょう。

 

では、残りの2つの事象の入院診療収益の順序はどうなるでしょうか。

 

f:id:zettonki:20181112184857p:plain

 

これは、多くのケースにおいて上の番号の順序になります。収益の観点からすると、病床回転率よりも稼働率を優先する方が収益が上がることが多いです。計算の詳細は複雑になるのでここでは公開しませんが、現在の診療報酬設定でいえば、一般病棟だけでなく、回復期病棟でも療養病棟でも精神科病棟、介護施設でもおおむね同様ですね。病院の管理者の方は一度、医事課と相談してみて自院が本当にそうなるか是非シミュレーションしてみてください。

 

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なので、

 

 稼働率を落とす前に、病床回転率を下げに行く

 

ことが、入院してくる患者数や背景が同じ状況下で病院の収益をできるだけ落とさない戦略として大事になってきます。そういう訳で、先のツイートのように、回転率を高めるために稼働率を犠牲にすると病院の収益的にはかなり危ないのでは、と感じています。逆に回転を上げに行くのならば、それは稼働率を十分高めてから行った方が経営上健全と言えるでしょう。

 

実は、2018年4月の診療報酬がなされる前までは、7:1入院基本料といって、患者7名に対して看護師1という人員配置の充実していて、高い重症度、医療・看護必要度を求められる病棟が診療報酬的にかなり優遇されていました。なので、色んな病院がこの7:1入院基本料を取りに行き死守していたのですが、今回の改定ではその優遇効果はあまりなくなってしまい(いわゆる梯子が外され)、明確に上のマトリクスが当てはまるようになってきました。

 

因みに、病院の稼働率ってどれくらい維持する必要があるのでしょうか。

病院には、支出として、決められた人員配置をクリアするための人件費であったり、その他の必要な医薬品、診療材料費、医療機器等の等固定費がかかります。なので収入が低いと当たり前のように赤字なのですが、それが黒字に変わる平均的な一般病棟の稼働率は80%強になります。とすると、単価が平均的な病院に関しては、この稼働率80%強を守っていくことが基本になりますね。

 

今回のモデルでは費用については触れませんでしたが、一般的に病床回転率を上げるにはそれに応じて医療スタッフが必要とされ、人件費が高まることとされています。収益に費用も考慮に入れた収支差(利益)の話になると高回転率優先の病院はそれも分が悪くなる要因の一つと考えています。

 

 

今回お示しした戦略はあくまで、あくまで短期的な時間軸で病院経営をみた場合のお話になります。中長期的に考えると、また別の作戦が必要です。次回はその話をしていこうと思います。

 

それでは、またtwitterで!